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aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】球体の蛇/道尾秀介 嘘が嘘を呼び、真実が隠され、変わる運命

嘘が嘘を呼び、真実が隠され、運命が変わる

嘘と真実が織り交ざり、重なりあった先にあるもの。

嘘が嘘を呼び、真実が隠され、運命が変わる。

球体の蛇 (角川文庫)

新品価格
¥637から

ほんの少しのきっかけが、些細な出来事が分水嶺になっていた。

読者という俯瞰した風景だからこそわかること。

自分の周りにもあるかもしれない。

そんな気になるほど現実感のある物語。

 

 

「相手を無根拠に見下している目つき。
何かを頭の裏側でいつも計量しているような目つき」

普段の生活では触れないような表現であるが、理解できる。

こういう目つきをしている人間とは、仲良く慣れないし、信用出来ない。

選挙で投票する際には、意外と重視するかもしれない。

 

「もし本当の枝豆のように、人の莢の中を簡単に覗くことができたら、どんなにいいだろう。
この世の問題の大半は、きっと怒らずにすむのではないか。
他人によって左右されていくはずの運命を、人は自分で選ぶことができるのではないか」

登場人物が人間は枝豆のようだと言っていたことに基づくセリフ。

嘘や本心を隠した言葉によって、間違った方向にいくことは多くある。

相手の中を見ることができれば、それを回避できるだろうという思いがこもっている。

 

 

「酒を飲むのが恥ずかしいから、それを忘れようとして酒を飲んでいた男」

星の王子さまの話を思い出している主人公。

忘れたいという思いの繰り返しにより、いろんなものを隠している。

一番はじめはなんだろうか。

嫌なことを忘れたいがために酒を飲む。

忘れたいこともあれば、目をそむけてはいけないものもある。

その見極めは大切だし、難しい。

 

「それぞれに嘘を抱えた人間」

この物語の中には、嘘を抱えた人間がたくさん出てくる。

そしてそれらが繋がり合っている。

自分のために嘘をつくのではなく、大切な人のために嘘をつく。

良かれと思っていたことが、実は裏目に出ている。

互いに互いを強く思いやるが故に、すれ違ってしまう思い。

本心でぶつかることを恐れたために、ズレが生じてしまう

人との付き合いが希薄になりがちな現代社会において、恐ろしい現実感をもって迫ってくる。

 

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