aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】今夜は眠れない/宮部みゆき 大金と不特定多数の群衆に壊されかけた家族がもがく

集団という恐怖に対して、どうする中学生

父、母、そして主人公である中学1年生の息子。

今夜は眠れない (角川文庫)

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平凡な家庭に突如、変化が起こる。

放浪の相場師といわれた男が、母に遺贈する。

その金額、5億円。なぜ?

 

家族の中でも上手く咀嚼できてない中、周囲の態度も変わってくる。

脅迫まがいの電話や、誹謗中傷。

母と相場師の間の関係も疑われ、父は家出する。

 

突如舞い込んだ大金が家族をバラバラにしてしまう。

なにが真実かわからない

そんな状況に耐えかねて、息子は友達とともに動き出す。

 

 

母と相場師の関係は?

自分は本当に父と母の子であるのか?

真実はどこにあるのか?

「僕が出会った情けというヤツは、さいころの形をしていて、
振ってみないことには、どの目が出るかわからなかったから」

テンポよく進む展開に、中盤からのどんでん返し。

どこまでが真実か?

そして相場師の最後の大博打とは。

 

 

社会の度量の狭さ

「この社会は、純然たる幸運を許してくれるほど、度量が広くないのでありましょう」

言われのない誹謗中傷をうける家族に届いた手紙の中の一節。

出る杭は打たれるという言葉そのもの。

目立ったら、褒められるよりも多く、妬まれるという悲しい環境。

人の幸福を祝うことのできない同調圧力が存在する。

どうしたらこの状況から脱却できるのか。

希望がないと感じてしまうからだろうか。

今日よりも明日が良くなると信じられないからだろうか。

少なくとも国に対して誇りを持てる人間が増えることが望まれる。

 

「なんでも僕のせいにしないでよ、と思ったから。
僕のために我慢してるんだって言わないでよ、とね」

母親に向かって息子が言うセリフ。

自分の行動を決める際に、人を言い訳にしてしまうこと

僕にも心あたりがある。

自分で決めることができないのはなぜだろうか。

自信がないからだ。

後悔のない生き方をしよう

 

中学生が政治家について物申す

「あとの政治家は、みんな派閥のロボットだもんな」

中学生が政治家についてコメントする。

良い表現だと思う。

今もそう。

派閥を代表しているだけであって、個人としてのカリスマ性があるかと問われると疑問符しかない。

そもそも、個人として選ばれているはずなのに、党に縛られている

過半数を取るための駒でしかないのだろうか。

もっと個々人の意見を出して、国会でちゃんと議論すべきだと思う。

党の方針がどうこうとか、当事者から逃げているように見えるのだ

 

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