【読書】生涯投資家/村上世彰 日本企業のあるべき姿を求めて私は戦い続けた
村上ファンドを率いて日本で旋風を巻き起こした男、村上世彰
これらをキーワードとして紡がれる彼の反省と生き方。
そして日本への思い。
マスコミから資本主義・金の権化のような言い方で報道されてきた彼。
彼の行動の裏側にはどのような考えと心理そして軸があったのだろうか。
マスコミというフィルターを通してではなく彼の生の声を知るための1冊。
彼が求めている株主によるガバナンス。
企業が何のために存在するのか。
株主目線から見て、間違っていた場合は方向を正してやる。
向いている方向、そして私利私欲のために動いている場合には牽制を利かす。
従来の、日本企業とメインバンクの馴れ合いのもとに紡がれてきた歴史を彼は変えようとしたのではないか。
それが正しいかどうかの判断をするのは一人ひとり。
企業のあり方を考えさせられる本だ。
なぜ上場しているのか?
「採算を度外視した経営は、上場したままなら許されない」
上場企業と言うのは株主から物を言われる。
それが普通の形なのだ。
ものを言わない株主、むしろそれが異常なのだ。
逆に言えば、採算を度外視した経営をしたければ上場しなければいい。
なぜ上場しているのか。
それを説明できないのであれば、上場しなければ良いのだ。
上場は資金調達の手段
「上場企業はそのリスクとコストを踏まえた上でそれでも必要がある場合のみ上場を維持するべきだ」
上場している会社の株式は誰でも売買できる。
それは当たり前の話だ。
だがそれを理解できている経営者はどれだけいるのだろうか。
自分の嫌いな相手には株を持ってほしくないなら上場しなければいい。
ただそれだけの話。
上場している意味はどこにあるのだろうか。
投資から寄付へ
「寄付は投資と同じだと思っているから、投資家と企業のように寄付者と団体の間にも綿密なコミュニケーションが必要だと考える」
寄付、その行為は相手に対しに何を求めているのだろうか。
それは自分が寄付したお金が有効に使われること。
そのために寄付者に対するフィードバックは必要不可欠だ。
投資も同じで上場企業も果たさねばならない。
経営者はわかっているだろうか。