【読書】語彙力こそが教養である/齋藤孝 語彙が豊かになれば、見える世界が変わる
知的好奇心を維持し、語彙力を強化する
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啓文堂書店の2016年、新書大賞に選ばれた本作。
なかなかセンセーショナルな見出しである。
そしてグサッと刺さる題名である。
語彙に関して、若者は弱い。
近頃の若者は、語彙力が貧しいと言われて久しい。
若くない人全員が、語彙力が有るわけではもちろんないのだが。
何れにせよ、年齢を重ねた人を尊敬の眼差しで見るのは、いい表現を使った時といえる。
よくその言葉がぱっと口をついて出てくるなと。
では、年を取ればいつか、語彙力はついてくるのだろうか。
いや、そんなことはない。
まじで?すげぇ、やべぇ。
そんな言葉を使っているだけでは生まれるものはなにもないのだ。
だからこそ使える語彙力を増やしていかねばならない。
そのために我々は何をすればよいのか。
その答えが本書にある。
大事なのはインプットとアウトプット。
身の回りにあるものは大概良い教科書になるのだ。
そして、アウトプット。
まず使ってみる、使ってみて、使える語彙を増やすことが最重要。
周りからあっと思われる人になるために。
語彙力は世界を変える
「200色の彩りをもって表現できるようになる」
著者は語彙を絵の具に例える。
語彙が貧弱な人は、8色しか絵の具をもっていない。
しかし、語彙が豊富で200色持っている人は、表現の幅が広がる。
多種多様な表現を駆使することで相手を動かせる。
より正確に、より柔軟に、より適切に。
知っているだけでなく、使えるように
「消極的な語彙が多い人は第一線ですぐに使える言葉が少ないということ」
消極的な語彙とは、靄がかかったような言葉のこと。
確かあんな感じの意味だったと思うんだけれども、確証がない。
そんな言葉をぱっと口にだすことができるだろうか。
消極的な語彙を減らすこと、それが語彙力を向上させる一歩。
名著というものは、人物が書くのだ
「人物がいて、思想が重なってこそできた作品です」
「本の価値や重要性は著者性または作家性にあります」
名著というものは、誰だかよくわからないような人が残したものではない。
人物がいて、その人の思想を含めて完成した結果が名作である。
著者の人生や生き方を知っているからこそ、より深く読める。
人間性や作品全体の流れを無視して、一言だけで語れるようなものではない。
どれだけ名作を味わいきれるかは、その人自身にかかっているのだ。
背景を知ることにより、知識になる
「文脈をとおして、初めて本当の意味で知っていると言える言葉になる」
言葉の意味だけを知っていては完璧とはいえない。
そのまわりの文脈、背景を知ってこそ、より適切に切れ味鋭く使うことができる。
言葉の成り立ちを知っているからこそ、深く自信をもって使うことができるのだ。
そして伝えたいと思う気持ちと語彙が相まって伝達が完成する。
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