aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】キウイガンマは時計仕掛け/森博嗣 誰かが死んでも誰かが補う

集団で生活する人間の強さ

キウイγは時計仕掛け KIWI γ IN CLOCKWORK (講談社文庫)

新品価格
¥778から

宅配便で届いたキウイ。
それには奇妙な細工がしてあった。
まるで手榴弾に似せたかのように。

 

建築学会に殺人者の影。
その夜、学長が射殺された。
謎に学会参加者のいつものメンバーが挑む。

 

このシリーズは森博嗣の作品の中でも 不思議な位置付けだと感じている。
それは1冊で完全に解決しない点だ。
一義的には犯人は見つかり、それらしい動機も現れてくる。
だが本当のところは分からない。
なぜならあえて答えを書いていないように見えるからだ。
その狙いはどこにあるのか。
この作品を読み終えた後、残るのは三冊。
どこで、誰が、物語に終止符を打つのか。
どうやって終止符が打たれるのか早く読みたい。

必要とされるのはスペシャリストではなく、ジェネラリスト 

「総合的に考えられるような人っていないんじゃないかな」
ある問題を考える時、例えば社会問題のようなこと。
一体それは誰が考えるのか。
みんなが考えても仕方がない。
だがその専門家というのは誰なのだろうか。
研究者ほど深く狭くではなく、一方で政治家の様に技術に無知でもなく、その中間にいる人間は一体どこにいるのだろうか。
そういう人がいないからこそ、問題が解決されないのだ。
 

 

発言の何割を完璧に理解できているだろうか

「自分から全てが発している状態に至ったのだ」
自分の発表に対する質問に対し、答えられないのはなぜか。
それは自分が完全に理解をしているのではないから。
全てを理解し、自分から発信することができれば、それでその人のものになるのだ。
その人が発信し、その人が受ける。
いかに自分のものとし、噛み砕くことができるか、それが問われているのだ。
 

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