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aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】コーポレート・ファイナンス入門/砂川伸幸 企業は人とモノとお金でできている

名言 社会

人とモノとお金を使って新たな価値を生み出すことが会社の使命

コーポレート・ファイナンス入門 (日経文庫)

新品価格
¥896から

社会人になると、社会のこと、会社のこと、さまざまなことを学ばなければならない。

会社員であれば、自分の属している会社のことは少なくとも理解しておきたいし、取引先のことも理解しておきたい。

この本は、そのキッカケになる一冊だと思っている。

 

企業は人とモノとお金でできている。

それらを使って、新たな価値を生み出すことが会社の使命だ。

新たな価値を生み出すことができれば、社員の生活を維持することもできるし、

社会の役に立っているはずだ。

では、どうやってそれらを集めるのだろうか。

人は、採用活動。モノはお金で買う。

では、お金はどうするのか。

 

資金調達という概念はここで登場する。

企業の事業が評価され、リスクを見極められ、資金提供してもらう。

その尺度を測るツールがコーポレート・ファイナンスである。

現代社会に多く存在する株式会社という形態についても、少しは目を向けると面白い。

 

産業の発展のためにリスクマネーは必要とされる

「新規事業の育成が産業の発展に必要なことは、大方の意見が一致するところでしょう」
「そのためには、リスク・マネーを提供してくれる株主の期待を理解することが大切です」

資金を調達する方法は負債か資本か。

負債は比較的低コストで調達することができるが、リスクはあまり取ってくれない。

資本の場合は、ハイリスクハイリターンを見込まれている。

どちらで調達するのがいいだろうか。

それは会社の事業によって決まってくる。

ハイリターンを上げられない事業で、資本を使ってしまっては、株主の要求に応えられない。

負債と資本は性格が違うのだ。

 

市場は正しいのか

「株主の期待収益率は、マーケットで取引される株価に反映されます」
「多くの投資家の意見が集約されているため、恣意性のはいる余地が小さいといえます」

アダム・スミスの神の見えざる手に代表されるように、市場は正しいという主張は多い。

確かに、皆の目線が入っていて、正しい方向に修練されるのかもしれない。

ただ、それは皆が同じ方向を向いている場合のときだけだと思う。

投資家が長期的な視点を持っているのか、短期的な視点を持っているのか、瞬間の視点しか持っていないのか。

これらの違いだけでも、バラバラの方向を向くはずだ。

必ずしも市場が正しいなんてことは言えない。

そこには多種多様な思惑が渦巻いているのだから。

 

企業は投資する事業があるから調達をする

資金調達をする時点で、企業は投資決定しているのです」

意味もなく資金を調達する企業はいない。

いくら日銀がマイナス金利を実施し、資金調達をし易い環境にしたとしても、
投資先がなければ、投資できるビジネスがなければ意味が無い。

金融政策は所詮、サポートであり、それがドライビングフォースには成り得ないのではないだろうか。

 

「現在の事業と異なるリスクをもつプロジェクトを評価する際には、プロジェクトのリスクに見合う資本コストを用いるべきです」

ある会社が新しくビジネスを始める。

その場合、資本コストは既存の値ではいけない。

もしかしたら銀行からは今まで通りのコストで借入ができるかもしれない。

だが、資金調達有りきではないのだ。

プロジェクトに投資できるか否かが先であり、調達方法はあとである。

肩書やネームバリューに弱い日本人にとって苦手なイメージがある。

 

「プロジェクトを取り巻く環境が不確実なほど、意思決定の柔軟性は価値をもちます」

プロジェクトの環境を常に注視し、時にはストップするという決定を下すことも必要である。

一度始めたら後には引けない。

そんなのは幻想であり、環境が変われば撤退することで被害を最小限に抑えることも必要である。

明確な決定のラインを引いて置くことが重要であるが、難しい。

 

「資本コストは、ビジネス・リスクによって決まります」

資本コストというと金利のイメージが強いが、本質は事業のリスクである。

事業が生み出す収益のブレがそのまま資本コストである。

 

「企業が負債比率を高めるのは、デフォルトしない強い自信の表れであると考えることもできます」

負債が増えれば、それだけ倒産のリスクは高まる。

なぜなら、資本と違って、返済しなければならないから。

逆に言えば、それだけビジネスに自信があるという表現にもなる。

そのアナウンスが本当かどうかを見極める目を、投資家は要求されているのだ。

 

この本は分厚くもないし、非常に読みやすい。

読んでみると、ニュースを見る目も変わるかもしれない。

知的好奇心は高まると思う。

 

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