【読書】池袋カジノ特区/古野まほろ UNOで7億円取り返す話
とりあえずUNOをやりたくなること間違いなし
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二冊セットのカバー絵に魅せられて購入した本作。
プチ・コン編とグラン・コン編から成る。
副題はUNOで7億取り戻せ同盟。
カジノといいながらUNO。
いろいろと気になる要素が交じり合っている本作。
舞台は東京、池袋。
この本の舞台は、池袋。
ただし現代の池袋とは大きく違う。
なぜならそこにカジノがあるから。
カジノに支配された街、池袋。
池袋警察が牛耳っているカジノ。
そこでは治外法権がまかり通り、正義が失われた世界。
主人公の古野まほろは、池袋のカジノで偶然、スロットを当ててしまう。
6億円の大当たり。
だが、警察に捕まってしまう。
冤罪によって。
そして6億円は奪われる。
その強大な権力によって搾取されてしまったお金を取り戻すべく走り回る同級生の物語。
ファンタジーやSF、そして中二病要素がふんだんに盛り込まれている。
「あなたに愛された私は、どうすればいいの?」
高校時代のヒロインはこう言う。
そして振られた主人公は何を思うか。
二人は別れ、そして再会する。
主人公が冤罪を着せられたのがきっかけだ。
暴力で支配することの怖さ
「管理された暴力で支配するか、管理されない雑菌を容認するか」
カジノを支配するのは暴力。
ただし、その支配の方法は別れる。
組織的に管理された集団によるか、それとも。
人は集団になると力をもつ。
管理されるものによってベクトルは変化する、簡単に。
鮮やかな手口に見惚れる
「大掛かりな舞台をでっち上げ、カモを騙して巨額をせしめ、なおかつ、それが詐欺であったことなど微塵も感じさせない」
美しいほどのコンゲーム、信用詐欺と呼ばれる。
鮮やかな手口、惚れ惚れする。
我々も実は、被害者となっているのかもしれない。
「イカサマとは定義上、暴露され、解明され、立証されたものだけを言うのだ」
バレなければイカサマにはならない。
主人公たちは巨悪に対してイカサマを仕掛ける。
騙し合いのバトル、それがUNO。
詐欺師が言う、油断大敵とは
「自分が敵を騙している、と確信したとき。まさにそのときこそ。
敵もまた自分を騙していることを、どうしても忘れてしまうのだ」
油断大敵とはこのこと。
自分ができることは相手もできる。
それは間違いない。
なぜなら安堵や成功というわかりやすいものが目の前に転がっている時、
我々はそれに目を奪われてしまうからだ。
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