aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】カササギたちの四季/道尾秀介 優しい嘘に包まれた短編集

優しい嘘に包まれた短編集

頼りないカササギとワトソン役である主人公が巻き込まれる事件の数々。

名探偵カササギの裏側には優しい嘘が。

 

カササギたちの四季 (光文社文庫)

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優しい人間であること、人間らしくあること

「誤りを犯すのは人間らしいーだが、誰か他人のせいにすることは、もっと人間らしい」

ついついやってしまう責任転嫁。確かに人間らしい。

気をつけねば。

「人間なんて、みんな身勝手なものですよ」

最後は自己中心的になってしまうというのは人間誰しも。

身勝手になるにも理由があるだろうし、どこまでお互いに歩み寄れるかなのだろう。

人と人が集まったら、ある程度の折り合いをつけることが求められる。

社会や組織は難しい。

自分のなかで譲れるところと譲れないところをはっきりさせることが大事なのだ。

 

 

「蜩の鳴き声と同じだったのだろう。遠くから聞いているときは耳に心地よかった。
しかし実際に近くで聞いてみると、想像していたものとはまったく違っていたのだ。」

隣の芝は青く見える

実生活でもよく感じる、仕事もそう。

魅力的だと感じて、いざ移動すると現実を知る。

どこでも変わらないと割りきってその場で我慢するか、常に動きつづけるか。

どちらが良いんだろう。

 

「人間って、毎日毎日いろんなことを考えて、いろんなものに憧れて、曲がりくねってるものです。」

日々、考えることは変わってくるし、その時々で判断も変わることもある。

そうやってくねくねしていてもいいんだよと、優しく背中をなでてくれる、そんな言葉。

 

「金、金、金、何でも金。そんなんじゃ人間、おかしくなっちまうよ」

お金というものはあくまでお金であって、ものとしての使用価値はない。交換価値があるだけ。

お金を得ることで得ているものは、選択肢の広さということ。

何が欲しいと明確で無い場合、とりあえずお金があればいいと考えがちだが、目的もなくひたすら集めていることで、目的と過程がわからなくなってしまうことが恐ろしい。


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