【読書】アイネクライネナハトムジーク/伊坂幸太郎 ミステリーが創る。煌めく奇跡の瞬間を。
【読書】SOSの猿/伊坂幸太郎 悪魔祓いをしたら孫悟空が出てきたのだが
現実世界に、孫悟空
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300億円の損害を出した株の誤発注事件。
それを調べるように言われた男。
そして引きこもりを悪魔祓いで治そうとする男。
彼ら二人の物語と言いたいところだが、実は主役がもう一人。
それは孫悟空だ。
彼が登場する本作品は、現実世界に孫悟空という極めて空想の香りが漂う登場人物が混じっている。
一言で言うと不思議な世界。
だが伊坂幸太郎の手にかかれば、それは当たり前のように書かれてしまう。
そこに孫悟空がいる不自然さなどほとんどない。
彼らが織りなす物語は、世界を平和にするのか楽しくするのか。
本当に悪いのは誰だろう、誰かを救いたいという思いが人を動かす。
その美しさを見せてくれる1冊だ。
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【読書】首折り男のための協奏曲/伊坂幸太郎 「もし、その時に、神様が見ていればね」
「綺麗に並んだ作品集というよりは、謎の工芸品」
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テレビで報道される殺人事件。
被害者は首を拗じられ、殺されている。
犯人の姿は伝えられるものの、未だ捕まってはいない。
そんな中、隣人に怪しい男が。
彼が犯人ではないかと疑う老夫婦。
そして、いじめにあっている中学生は、その彼に助けられる。
同じ頃行われた合コンでは、その殺人事件が話題に登る。
また、もうひとりの登場人物として、泥棒の黒澤がいる。
彼は伊坂作品の至る所に登場する。
ナビゲーターのような役割なのかもしれない。
黒澤は、昔の恋人を探してほしいと頼まれる。
これは、隣人を疑っていた老夫婦から。
そして別の日に、高い絵画を盗んで欲しいと頼まれてしまう。
泥棒黒澤、罠にはめられてしまうのだろうか。
本作は、短編が7つ。
その中に紛れ込んだ、首折り男と泥棒。
彼らを通じて物語は、時にクロスし、混ざりあう。
これが伊坂ワールドの真髄ではなかろうか。
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