aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】デボラ、眠っているのか? /森博嗣 ざっと百年といったところか

ウォーカロンが人間になるまで、どれくらいか

デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping? (講談社タイガ)

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¥745から

古い修道院でスーパーコンピューターが発見された。

そしてそれを守る生殖可能な一族も一緒に。
ナクチュの頭脳は再起動、失われていたネットワークの再構成、新たに明らかになるトランスファーと言う細かなプログラム。
生命体というのかもしれない。
それらによりハギリは導かれる。
その先に何が待ってるのか。
この世界はどこへ行くのか。
そして何が幸せなのか。
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【読書】愚行録/貫井徳郎 他人を語ることで垣間見える本質

他人を語る、それは自己を語ること

愚行録 (創元推理文庫)

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¥756から

幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。
深夜、家に忍び込んだ何者かによって一家4人が惨殺された。
その事件を、彼らの友人・隣人達が語る。
エピソードによって浮かび上がらせる何か。
理想の家族に見えた彼らは、一体何故、殺されてしまったのだろうか。
殺されなければならなかったのだろうか。
他人を語ることで、その人の本質が見えてくる。
他人を語ることで見えてくるのは、その人の本性である。
果たして、暴かれる真実は何を見せてくれるのだろうか。
 

 

 
この作品は、それぞれの人間の独白によって構成される。
独白するのは、隣人であったり、友人といった関係者達。
彼らは、被害者家族について語る。
彼らがどんな人であったか、みんなからどう思われていたのか、そして自分はどう思っていたのか。
その発言の中から何かが見えてくる。
明らかに何かが見えてくる。
それは果たして何だろうか。
人の振り見て我が振り直せ。
まさにこの言葉を思い出してしまった。
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【読書】天才株トレーダー 二礼茜 ブラックヴィーナス/城山真一 経済を使った正義を見せつける

本作はいわば経済版ブラックジャックである

天才株トレーダー・二礼茜 ブラック・ヴィーナス (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

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¥734から

この一文に惹かれて買ってしまった。

というのは、そもそも経済という言葉に、金の亡者という意味が含まれているように感じているからだ。
だから、金儲けと正義は相反するもの。
人間を救済することなど果たしてできるのだろうかと。
そんな疑問を持ち崩してくれるのではと考え、読み始めた。

 

物語は地方公務員の百瀬と二礼の出会いから始まる。
株取引の天才、黒女神こと二礼は、金と引き換えに依頼人の最も大切なものを要求する。
その要求する大切なものと欲しいお金を天秤にかけ、相手に対し選択を迫る。
何が何でもお金を欲しいのか、その覚悟はどこにあるのか。
リターンの代わりに彼女は考える時間を与える。
何のために金が欲しいのか。
その理由を知ってからではないと彼女は動かない。
金融で働く者に対する心構えを教えてくれるのかもしれない。
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