aichikenminの書斎

20代サラリーマンが、読んだ本と、心に残った言葉、その時考えたことを徒然なるままに書き留めたもの(金融、理系、工学、航空機、読書)

【読書】はなとゆめ/冲方丁 枕草子ではなく、清少納言本人の物語

冲方丁が描く清少納言の物語

はなとゆめ (角川文庫)

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清少納言が書いた枕草子は有名である。

だが、それを書いた本人である清少納言についてどの程度知っているか。

 

文書を書いた人間の背景がわかってこそ、その本質を理解できる。

どのような政治的背景、人間関係、精神状態において記していたのか。

作者に焦点を当てて描く本作で、清少納言という人間が形を帯びる。

 

清少納言藤原定子に使える女房である。

定子を尊敬する、敬愛する清少納言、むしろ愛するといっても過言ではない。

定子という人間と彼女を愛する清少納言、二人が直面する様々な問題の中で繋がりがより深まる。

 

太陽は落日こそが美しい

最後まで定子に使え、敬愛してその思いを込めた枕草子

この言葉もまた、定子に捧げた言葉であろう。

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【読書】ゴジラとエヴァンゲリオン/長山靖生 予定調和のゴジラと破滅の度合いを強めるエヴァ

ゴジラはただの子供向け怪獣映画ではない

ゴジラとエヴァンゲリオン (新潮新書)

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シン・ゴジラが公開されて話題になっている昨今。

僕は、ゴジラをちゃんと見たことがない。

エヴァンゲリオンで有名な庵野監督が作っているということで、

今回のシン・ゴジラを見たいと思っている。

 

そんな中、本屋さんで目にした本作。

映画を見る前に読もうと思い、即買してしまった。

 

そもそも、ゴジラ原水爆により生まれたことすら知らなかった。

ただの子供向け怪獣映画だと思ってなめていた面は大いに反省すべきだと感じた。

 

ゴジラエヴァンゲリオンといった特撮、SFの系譜とともに、日本の歴史を紐解くような本作。

たかが特撮、たかがアニメとばかにするのではなく、その背景にあるものに思いを馳せることで、

人は同じものを見ていてもえられるものは大いに違ってくる。

そう感じさせてくれる一冊であった。

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【読書】仕事は楽しいかね?/デイル・ドーテン この質問にどう応えますか?

社会人にとっては耳の痛いセリフかもしれない

仕事は楽しいかね?

あなたにとって、自分の仕事は楽しいだろうか。

 

楽しい!と自信を持って答えられる人はどれ位いるだろうか。

仕事のすべてが楽しいと思える人はなかなかに少ないのではなかろうか。

 

自分の仕事の中にも、楽しいこともあれば、そうでないこともある。

それを含めて仕事という考え方もできる。

逆に、嫌なことをやっているのだからお金をもらっているのだという考え方もある。

 

この本を読んで、再度自分の仕事について考え、そしてこれからの立ち振舞いについても再考するきっかけになる。

 

就職活動をする際に描いていたきらびやかな仕事は、憧れを持っていた仕事は、現実にはどうであったか。

忙しさにかまけて、考えないようにしてはいないだろうか。

 

本作は主人公の青年が、空港で偶然出会った不思議なおじいさんとの会話により繰り広げられる。

耳の痛い質問がおじいさんから繰り出される中、あなたは答えきれるだろうか。

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